CVRが上がらない時、LPと広告どちらを直すべきか
CTRが低くCVRも低いなら、広告とLPの両方を疑う必要がある。CTRが高くCVRが低いならLPを直すべきで、CTRが低くCVRが高いなら広告のターゲティングとクリエイティブを直すべきだ。この切り分けに感覚は不要で、数字を並べれば機械的に判断できる。
なぜCTR×CVRで原因を切り分けられるのか?
CTRは「広告が見た人に刺さっているか」を測る指標で、CVRは「LPに来た人がそこで機能しているか」を測る指標だ。この2つは担当する工程が違う。CTRが低いのにLPをいくら直しても、そもそもLPに来る人の数や質が変わらなければCVRは動かない。逆にCTRが高いのにCVRが低い状態でクリエイティブを変えても、LPで離脱している人には何の影響もない。だからこそ、どちらの指標が悪化しているかを見れば、直すべき工程が自動的に決まる。
4象限のどこに当てはまるか?(判断マトリクス)
以下は判断の型を示すための仮想モデルで、実際の数値ではない。CTR・CVRともに業界平均を「高い」「低い」の2値に単純化している。
| CTR高い | CTR低い | |
|---|---|---|
| CVR高い | 順調。予算を拡大するフェーズ | 広告に問題。ターゲティング・クリエイティブを見直す |
| CVR低い | LPに問題。訴求とページの整合性を見直す | 両方に問題。広告のターゲティングを最優先で疑う |
CTR高い×CVR低い(LPが原因) 広告は「刺さっている」ので、クリック後の期待とLPの内容にギャップがある可能性が高い。広告で訴えた条件・価格・ベネフィットがLPのファーストビューに反映されているか、フォームの入力項目が多すぎないか、この2点から確認する。
CTR低い×CVR高い(広告が原因) LPに来た人はきちんとコンバージョンしているので、LPの機能自体は悪くない。問題は「そもそも来る人が少ない」こと。クリエイティブのフックが弱いか、配信面・ターゲティングが訴求とズレている可能性が高い。
CTR低い×CVR低い(両方に問題、優先度は広告) 一見どちらも直すべきに見えるが、まず広告のターゲティングを疑う方が効率的だ。的外れな層に配信していれば、その人たちに合わせてLPをどう直してもCVRは上がらない。広告側で「そもそも刺さる相手に届いているか」を先に整えてから、LPの検証に進む順序が無駄を生まない。
判断に必要な最低データ量はどれくらいか?
CTR・CVRとも、少ないデータで判断すると「たまたま」を「傾向」と誤読するリスクが高い。目安として以下の水平を確保したい。
- CTRの判断:インプレッション5,000〜10,000以上、期間は最低1週間
- CVRの判断:クリック(LP訪問)500以上、コンバージョン20件以上、期間は最低2週間
コンバージョン数が20件を下回る段階でCVRの良し悪しを議論すると、1〜2件の増減で数字が大きく振れる。「CVRが2%から3%に上がった」と喜んでも、母数がクリック100件なら1件増えただけの結果ということもある。母数が足りないうちは、CTR・CVRの絶対値ではなく、まずインプレッションとクリックを積み上げることを優先する。
改善順序を間違えるとどうなるか?
CTR低い×CVR低いの状態で、いきなりLPを大幅リニューアルするケースをよく見る。この場合、ターゲティングがズレたまま来訪者の質が変わらないので、LPを直してもCVRはほとんど動かない。「LPを直したのに効果が出ない」という結論だけが残り、次にLPの何が悪いのかを延々と探す方向に労力が向かってしまう。実際に見るべきは配信先の話だったのに、工程を一つ手前に戻せなかったことが原因だ。
逆に、CTR高い×CVR低いの状態で広告クリエイティブだけを強化するケースも起きやすい。クリック数は伸びるが、LP側のギャップは解消されていないのでCVRはむしろ下がる。クリックが増えた分だけ広告費は消化されるので、CPA(1件あたりの獲得コスト)は悪化する。CTRの改善は成果に見えやすいため優先されがちだが、CVRが低いままCTRだけを上げるのは、穴の空いたバケツに水を注ぐ量を増やしているだけだ。
もう一つの落とし穴は、広告とLPを同時に大きく変えてしまうことだ。両方変えた後に数字が動いても、どちらの変更が効いたのか判別できない。次の改善のたびに再現性のない当てはめを繰り返すことになる。まずCTR・CVRを分けて記録し、どちらから触るべきかを表で確認し、一度に変える変数を一つに絞る。この順序だけで、改善のたびに「なぜ効いたか」が説明できるようになる。