お店のメニュー表やチラシ、AIで作れるか
メニュー表やチラシの下書きは、AIを使えば数分で作れます。ただし、写真の選び方や最終的な見た目の確認は、必ず人が行う必要があります。
「新しいメニューが出るたびに、手作りでチラシを作るのが大変」という相談はよくあります。この記事では、AIにどこまで任せられるか、どこは自分の目で確認すべきかを、具体的な手順で説明します。
今、メニュー表やチラシ作りにどれくらい時間とお金がかかっているか?
例として、長崎県長崎市で従業員8人の食堂を考えてみます。この食堂では、季節限定メニューを出すたびにチラシを作っています。
前提はこうです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | 月1回、季節メニューの案内チラシを作る |
| 作業者 | 店長が休憩時間や閉店後に自分で作成 |
| 使うソフト | エクセルとワードを組み合わせて手作り |
| 1回あたりの作業時間 | 文章を考えるのに1時間、レイアウトを整えるのに1.5時間、合計2.5時間 |
| 外注する場合の費用 | デザイン会社に頼むと1枚あたり8,000円〜15,000円 |
この食堂の場合、月2.5時間、年間で30時間ほどをチラシ作りに使っている計算になります。時給換算で考えると、店長の時間が本来の接客や仕込みに使えていないことになります。
AIを使うと、文章の下書きとレイアウトの土台を作る時間が、2.5時間から30分程度に短縮できます。浮いた2時間を、仕込みや接客に回せるようになります。
AIにメニュー表やチラシを作らせる具体的な手順は?
まず、AIに渡す材料を先に用意します。材料がないと、AIはそれらしい文章を勝手に作ってしまい、実際のメニューと違う内容になることがあります。
用意するものは次の4つです。
- メニュー名と値段(例:長崎ちゃんぽん 850円)
- 使っている食材や特徴(例:地元の魚介をたっぷり使用)
- お店の雰囲気を表す言葉(例:昔ながらの食堂、家族で気軽に入れる)
- チラシを貼る場所(例:店頭、レジ横、SNS)
次に、ChatGPTなどのAIに、この4つの情報を入力して「季節限定メニューの案内文を作ってください」と頼みます。このとき「短く」「お客さんが読みやすい言葉で」と条件をつけると、文章がすっきりします。
AIが作った文章を、そのまま貼り出してはいけません。値段や食材名が間違っていないか、必ず自分の目で確認します。AIは自信満々に間違った内容を書くことがあるからです。
文章ができたら、レイアウトを作る段階に進みます。文章と写真を並べる無料の画像作成ツールに、AIが作った文章を貼り付けて、写真や色を選んでいきます。この段階で、お店らしさを足していきます。
文章づくりを自動化する部分については、メニューやチラシの文章づくりを自動化する方法で、もう少し詳しい進め方を紹介しています。
写真やお店の雰囲気はどうやって反映させるか?
AIが画像を自動で作る機能もありますが、料理写真に関してはおすすめしません。実際の料理と違う見た目になることが多く、お客さんをがっかりさせてしまう可能性があるからです。
料理の写真は、スマホで撮った実物の写真を使います。撮り方のコツは3つだけです。
- 自然光が入る窓際で撮る(店内の電球色だと料理が黄色っぽく写る)
- 真上からではなく、少し斜め上から撮る
- 皿の余白を残して撮る(あとで文字を入れるスペースになる)
お店の雰囲気は、AIに言葉で伝えます。「昔ながらの食堂らしい、あたたかい雰囲気」「若い人向けの、明るくポップな雰囲気」など、具体的な言葉で伝えるほど、AIが作る文章のトーンが合ってきます。
色使いも同じです。「赤と白を基調に」「木の温かみが伝わる茶色系で」など、色の名前を伝えると、レイアウトツール側で選ぶ色も選びやすくなります。
最初の一歩は何をすればいいか?
いきなり全部のメニュー表を作り替える必要はありません。まずは、月1回の季節限定メニューの案内チラシ1枚だけで試すのがおすすめです。
手順はこうです。
- 今使っているChatGPTなどのAIアカウントを用意する(無料で始められるものが多い)
- 前の見出しで紹介した4つの材料をメモにまとめる
- AIに文章を作らせて、値段と食材名を自分で確認する
- 無料の画像作成ツールにレイアウトを流し込む
- 印刷する前に、店員数人に見てもらい、読みにくい部分がないか確認する
ここまでで、だいたい30分から1時間ほどです。1回やってみると、次からはもっと早く作れるようになります。
何から手をつけていいか分からない場合は、無料のAI業務診断で、自分の店に合った進め方を確認するのも一つの方法です。
印刷用とSNS用でどう使い分ければいいか?
印刷するチラシと、SNSに載せる画像では、必要な準備が違います。ここを間違えると、印刷したチラシの写真がぼやけて仕上がることがあります。
| 用途 | 気をつけること |
|---|---|
| 店頭に貼るチラシ(印刷) | 写真は大きいサイズのファイルを使う。スマホで撮った写真をそのまま小さく縮小したものは、印刷するとぼやける |
| 印刷会社に渡すデータ | 文字や写真が紙の端ギリギリに来ないよう、余白を多めに残しておく |
| SNSに載せる画像 | 縦長・正方形などSNSごとに向いている形が違うので、投稿する場所に合わせて作り直す |
| SNSの投稿文 | チラシの文章より短く、絵文字を使ってもよい |
印刷会社に「このデータで刷れますか」と一言確認してから入稿すると、刷り直しの手間を防げます。
長崎市のような観光地では、外国人のお客さん向けの対応も必要か?
長崎市のように観光客が多い地域では、外国人のお客さん向けのメニュー表を求められることがあります。長崎市の飲食店がAIでチラシを作る場合、日本語の下書きができた後に、同じAIに「英語に翻訳してください」と頼むだけで、多言語メニューの下書きも作れます。
ただし、料理名の翻訳は直訳すると意味が伝わらないことがあります。例えば「ちゃんぽん」のような地域の料理名は、そのままローマ字にした上で、短い説明を付け加えると伝わりやすくなります。翻訳文も、できれば英語が分かる人にひと目確認してもらうと安心です。
効果はどうやって確認すればいいか?
チラシを作って終わりにせず、効果を確認する習慣をつけると、次のチラシ作りに活かせます。難しい計算は不要です。
確認する方法はシンプルです。チラシを貼り出した週と、貼り出す前の週で、案内した季節限定メニューの注文数を数えて比べます。注文数が増えていれば、そのチラシの文章や見せ方は当たっていたと分かります。増えていなければ、次は写真の位置や文章の長さを変えて試します。
この積み重ねが、AIに頼む文章の指示をだんだん上手にしていくコツになります。
まとめ
メニュー表やチラシの文章とレイアウトの土台は、AIで数分から30分ほどで作れます。ただし、値段や食材名の間違いがないかの確認、料理写真の撮影、最終的な見た目の確認は、必ず人の手で行います。
まずは月1回の季節限定メニューの案内チラシ1枚から試してみてください。慣れてきたら、SNS用の画像や、多言語のメニュー表にも広げていけます。AIを使う費用感が気になる場合は、AI導入の費用の考え方も参考にしてみてください。