経費精算の入力作業、AIでどこまで減らせるか
経費精算の入力作業は、AIで大幅に減らせます。レシートを撮るだけで、AIが金額や日付を読み取り、仕訳まで自動でつなげてくれます。
毎月の経費精算で、レシートの入力に何時間もかかっていませんか。仮に従業員20人の製造業の会社で、経理担当者が1人だとします。社員が持ってくるレシートは月に約100枚。レシートの金額や日付を経費精算書に打ち込むだけで5時間かかります。そこから仕訳帳に入力する作業にさらに3時間。金額や日付の間違いがないか確認する作業に1.5時間。不明な内容を社員に聞き直す作業に0.5時間。合計すると、月に10時間が経費精算の入力作業に消えています。この記事の試算は、すべてこの「従業員20人・経理担当1人」の会社を前提にしています。
AIは経費精算のどこまで自動でやってくれるのか
AIが得意なのは、次の3つです。
- レシートの写真から金額・日付・店名を読み取る作業
- 読み取った内容を経費精算書の決まった項目に入れる作業
- 「交通費」「接待費」など、勘定科目を推測して仕訳帳に入力する作業
先ほどの試算で言うと、5時間かかっていた入力作業は30分程度に減ります。仕訳帳への入力3時間も、AIがほぼ自動でやるので30分程度で済みます。
AIにできないこと、人がやるべきことは何か
AIは読み取りと入力を代わりにやってくれますが、判断はしません。「この接待費は本当に業務に必要だったか」を決めるのは人の仕事です。金額があまりに大きい場合や、いつもと違う店の領収書がある場合は、人が最終確認します。つまりAIは入力の手間を減らしますが、承認の責任は経理担当者や上司に残ります。この線引きを最初にはっきりさせておかないと、後で「AIが勝手に承認した」というトラブルになります。
豊田市の製造業なら経費精算はどう変わるか
たとえば愛知県豊田市で工場を持つ従業員20人の製造業の会社を考えてみます。豊田市の製造業がAIで経費精算を効率化する場合、下請けや取引先への出張が多く、レシートの枚数も多くなりがちです。
| 作業 | 今までの時間 | AI導入後の時間 |
|---|---|---|
| レシートを経費精算書に入力 | 5時間 | 30分 |
| 仕訳帳への入力 | 3時間 | 30分 |
| 金額・日付の確認 | 1.5時間 | 1時間 |
| 社員への確認連絡 | 0.5時間 | 0.5時間 |
| 合計 | 10時間 | 2.5時間 |
月に7.5時間が浮く計算です。経理担当者の時給を2500円とすると、月に約1万9千円分、年間で約22万円分の時間が浮きます。浮いた時間は、資金繰りの確認や取引先への支払い管理など、人にしかできない仕事に回せます。
導入までの手順はどうすればいいか
まず用意するものは、レシートを撮る携帯電話と、AI経費精算の仕組みです。手順は次の通りです。
- 今の経費精算にかかっている時間を、実際に1か月分測る
- AI経費精算の仕組みの無料お試し期間を使い、自社のレシートで読み取り精度を確認する
- 経理担当者1人と社員数名で、1か月だけ試験的に使ってみる
- 誰が最終承認するかのルールを決める
- 全社員に使い方を説明し、本格的に導入する
自社だけで判断が難しい場合は、外部に相談する方法もあります。どこに何を頼めばいいか迷う場合は、依頼先の選び方を先に読んでおくと、比較がしやすくなります。
失敗しやすいポイントは何か
導入してすぐにつまずきやすいのが、レシートの読み取り精度です。
- レシートの文字が薄いと、金額を読み間違える
- 感熱紙のレシートは時間が経つと印字が消え、読み取れなくなる
- 手書きの領収書は読み取り精度が落ちやすい
- 社員がレシートを丸めて持ってくると、写真がぼやけて読み取れない
対策は、レシートをもらったらすぐに写真を撮る習慣をつけることです。感熱紙は特に色あせが早いので、月末にまとめて処理するのは避けたほうがいいです。
もう一つ注意したいのが、レシートの写真をクラウド(つまりインターネット上の保管場所)に預ける点です。会社のお金の情報を扱うので、導入前にそのサービスの情報の扱い方を確認しておく必要があります。個人情報や取引先の名前が写り込むこともあるので、誰でも見られる設定になっていないかも確認しましょう。
ChatGPTだけで経費精算は自動化できるのか
「今使っているChatGPTでできないか」と考える方も多いはずです。結論から言うと、ChatGPTだけでも読み取りはできますが、手間が残ります。
| ChatGPTのみ | 専用のAI経費精算の仕組み | |
|---|---|---|
| レシートの読み取り | 1枚ずつ手作業で写真を送って聞く必要がある | 撮った瞬間に自動で読み取る |
| 経費精算書への反映 | 手動でコピーして貼り付ける | 自動で反映される |
| 仕訳帳との連携 | 連携できない | 自動で仕訳される |
| 月10時間の作業 | 5〜6時間程度に減る | 2.5時間程度に減る |
レシートが月に数枚程度の個人事業主なら、ChatGPTだけでも十分なことがあります。ただし社員が20人いて月100枚のレシートがある会社では、専用の仕組みのほうが時間の節約になります。
費用はどれくらいかかるのか
経費精算のAI経費精算の仕組みは、社員1人あたり月500円〜1500円程度が多いです。従業員20人の会社なら、月1万円〜3万円程度が目安になります。これに加えて、最初の設定を手伝ってもらう費用がかかる場合もあります。月に7.5時間、金額にして約1万9千円分の時間が浮くので、費用と相殺されるか、それ以上に浮く計算になります。費用の考え方をもう少し詳しく知りたい場合は、AI導入の費用の考え方にまとめています。
補助金は使えるのか
経費精算のAI導入には、IT導入補助金が使えることがあります。小規模事業者持続化補助金の対象になる場合もあります。どちらも申請の締め切りや条件が毎年変わるので、使う前に最新の条件を確認する必要があります。豊田市など事例エリアの自治体にも独自の補助制度がある場合があるので、市の商工課や商工会議所に確認してみてください。補助金の選び方に迷う場合は、AI導入に使える補助金を確認しておくと申請の見通しが立てやすくなります。
結局、経費精算のAI化は何から始めればいいか
まず自社の経費精算に、今何時間かかっているかを数えることから始めてください。数字が分かれば、AI導入でどれくらい浮くかも見えてきます。経費精算だけでなく、請求書の発行や入金の確認まで含めて自動化したい会社もあります。AIに任せる範囲と、人が判断する範囲を最初に分けておけば、失敗せずに導入できます。